河口慧海作「チベット旅行記」全5巻読了。
明治時代の日本人のバイタリティは見習わなくちゃいけないと思う。ま、山登り素人のくせしてヒマラヤ越えで鎖国しているチベットに行っちゃう普通じゃない人だから、これが当時の一般的な明治人だと考えちゃいけないけれど。案の定、血を吐くほどの高山病になってたけど、へこたれないんだなあ。
しかし、全編を通して伝わって来る彼の筋の通った考え方は素晴らしい。仏教に基づくものだから理解しやすい。それに共感するかどうかは別として。慧海さんは、良くないものは良くないとはっきり言い、聞いた話はこれは聞いた話だがと断って書いている。正直言って、彼はチベットの習慣や文化についてはほとんど誉めていない。チベットのギョッとするような習慣や風俗がいくつも描かれていた。
それにしても気持ちよく読める本だった。慧海さんがラサに到着してからの生活や風俗・文化の記録ではなく、冒険物語の部分が特に面白かった。
その他、水谷尚子作「中国を追われたウイグル人」とジョンストン作「紫禁城の黄昏・上巻」を読了。
前者はチベットと併せて今後考えていかなきゃいけない問題だと思うが、チベットと比べてあまり知られていないよね。あまりにひどい話だったんで、この本の内容を語ろうと思うと某国の悪口しか出て来ないのでやめておく。
後者は、ジョンストン氏の宣統帝(溥儀)に対する温かい気持ちがとてもよく伝わってくる良書。ジョンストン氏が宣統帝の先生に任命される部分に辿り着くまで、上巻の280ページあまりかけて当時の清朝の政治情勢を読まされるので参ったけれど。現在、下巻を読んでいるところ。。
清朝は、満州族という、中国の少数民族のひとつが起こした王朝なので、モンゴル・チベット・ウイグルと併せて、中国近辺の少数民族好きのあたしには外せない話題なのである。
歴史や民族に関する本は、特に第三者の視点から書かれた物が好きだ。当事者が書いている本は、良くも悪くも歪んで描かれているから、正誤の判断が難しい。
ってな訳で、昨日注文してしまったのが、イザベラ・バードという明治時代に活躍した英国人女性冒険家の「日本紀行」と「朝鮮紀行」ある。かなり当時の様子を的確に描いているんではなかろうか。
これは、オリジナルの英語版よりも何故か邦訳の方が安かったりするのだが、だんなや娘にも読んでもらいたいので、英語のオリジナルを購入した。2冊を読み比べてみるぞ。
あと、わざわざ日本のアマゾンで買ってしまったのは、「溥儀日記」である。
宮廷内の少年時代の日記から、共産党政権下の中国で、皇帝から人民への教育、一市民としてのエピソード。さらに文化大革命の中での批判、死の寸前まで書き続けた絶筆まで。波乱に満ちた、中国最後の皇帝・溥儀の日記。
面白そうじゃん。彼に関しては、逆に第三者によってあれこれ描かれた本が多いので、本人の言葉を読んでみたい。併せて民間人の奥さんである李淑賢さんの書いた本「わが夫、溥儀―ラストエンペラーとの日々」も購入したが、これは日本の実家に送ったのですぐには読めない。
この2人の結婚生活に関しては、梁家輝主演の「火龍」という映画もあるので、平民になった後の皇帝の様子が見たいけど読書は苦手という方はこちらをどうぞ。レンタルビデオ屋に普通に置いてあると思う。
嵯峨浩作「流転の王妃の昭和史」は当然何年も前に読み終わっている。上記を全て読破し、且つ浩さんの夫である溥傑作「溥傑自伝」まで読んだら(高かったので買わなかったが、いずれ読みたい)、愛新覚羅おたくになりそうだ。
Filed under: 読書

最近のコメント