そういえばアメリカに来て最初に居を構えたのが、黒人ゲットーだった。コンプトン(多くの黒人ラッパーを輩出している有名なゲットー)のすぐ近くである。子供が生まれる前まで11ヶ月くらい住んでいた。近所のリカーストアではタバコが1本ずつバラ売りされていた。ホームレスもうろうろ歩いていた。そんなところ。
昼間、働き盛りの男性たちが外にテーブルを出して、ビールをちびちびやりつつ、音楽をガンガンかけながらカードで遊んでいるような環境である。当然、そんな所に住んでるアジア人はあたし1人だけだったと思う。あたしも好んでそこに住んでいたわけではなく、あたしが渡米する前に元だんなが独りで決めた住家である。家としては悪くなかったが、周りの環境が・・・。元だんなは、きっと奥さんが、日本から一度も出たことのない日本人だと言うことを忘れていたのであろう。
あたしは、内心ちょっとビビッていたりしたんだが、それを外に出さないように気をつけ、頑張って平静を装っていたっけ。ナメラレタラアカンと思っていたので。
外でカードやってるおっちゃんの1人があたしに声をかけようとしたら、隣に住んでたオヤジ(いい人だったが、元だんなによると、刑務所帰りだったらしく、彼の息子も少年院に入っていた)が、「あの人はXX(元だんなの名前)の奥さんだから」と言ってくれたりしたので、そこで特に嫌な目にも危険な目にも遭ったことはない。
意外とゲットーに住んで、そこに慣れてしまうと、そんなに危なくないのかも。ま、周りの住人に仲間として受け入れられていたら、に限るけど。あたしは元だんなが周りの人と仲良くしていたおかげで大丈夫だった。でも、流れ弾に当たったりする確率は高くなると思うので、一概に危険じゃないとは言えないが。もちろん二度とああいう場所には住みたくないけど、若い内に経験しておいてよかったかも。
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